フランスに初めてやって来た頃、歩道の端にあるこの赤いものがとても気になりました。ほどなくune bouche d’incendie (une bouche (口)、l’incendie (火事) )だということを教えてもらったのですが、このレトロな感じの何とも言えない形が、古い町並みにマッチしていて好きでした。そして15年ほど経った今、我が家の息子達もどうやらこれが気になるらしく、立ち止まって遊んだり、道々数えたりしています。誰でも気になるものなのか、遺伝なのかは分かりませんが、同じものが好きというだけで頬が緩む母心です。さて、une bouche は口のことですが、火山の噴火口(la bouche d’un volcan)や換気口(la bouche d’air)などにも使われます。日本もフランスも発想は同じなのですね。ちなみに動物の口は une gueule, 鳥のくちばしは un bec と言い、俗語で人間の口にも使われます。