doudou

トマが午後もl’ecoleに行くと言い出した日、maîtresse に何が必要か聞いたところ、la sieste (お昼寝) のための une couverture (掛け布団)  と、もし必要があれば son doudou と言われました。

doudou というのは、子どもが特別に大事にしていて、特に眠る時に必要なぬいぐるみの類いで、中にはお母さんの un débardeur (タンクトップ)や une petite serviette (小さなタオル)だったりする子もいます。フランスでは赤ちゃんの時から1人で寝かせるせいか、この doudou の存在価値は高く、ヴァカンスに出掛けるのにうっかり持って行くのを忘れて大変なことになったという話もよく聞きます。

doux は柔らかい、心地よい、優しいという形容詞で、そこから来ているのでしょう。しかし、トマが日本から大切に連れて来た仲間は、ウルトラマン。doudou というより、durdur (dur:固い)。しかも、トマは未だに母と一緒に寝ているせいか、特に doudou は持っていないので、maîtresse には « Il n’en a pas pas besoin .» (彼には必要ありません:avoir besoin de+物:〜が必要だ) と答えました。
しかし、トマは «Je n’ai pas de doudou. Je veux un doudou!» ( doudou 持ってない。doudou 欲しい!) と言い出しました。少々悩みましたが、誰に似たのかかなりtimide (内気) な息子が、自分から午後も行くと言い出したので、その気持ちを後押ししてやりたい母心と、doudou がないから行かないと言い出したらやっかいだという気持ちに負け、買いに行くことにしました。

しかし、その日は lundi (月曜日)。フランスでは閉まっているお店がたくさんあります。案の定、街で見つけたかわいい un magasin de jouets (おもちゃ屋さん) は ouvert du mardi au samedi (開店は火曜から土曜)。仕方がないので次の日はとりあえずウルトラマンを携えて行ってみました。maîtresse に、これしかないんですけど・・・。と見せると、頬を引きつらせて苦笑い。
やっぱり正義の味方じゃだめか。結局、その日の帰り道に寄った supermarché Casino で、小さな Barbapapa (バーバパパ) のぬいぐるみを見つけ、トマは黄色(Barbidou)、ルカは赤 (Barbidur) で一件落着。毎日大事に抱いて寝ております。

tondeuse:芝刈り機

日本でしばかりをするのは un conte (昔話) の un vieillard(お爺さん)ですが、ここフランスでは la tondeuse です。(昔話では du gazon(芝生) ではなく、du petit bois(柴:小さな雑木)ですしね・・)手で持つ草刈り機のようなのものから、ちょっとした un tracteur (トラクター)ほどもあるものなど、種類も様々です。tondre は「刈る」という動詞で、我が家の息子達を丸坊主にする時に使うバリカンのことも une tondeuse と言いますが、ちなみにこの「バリカン」はフランスの製造会社 Barriquand et Marre から来ているらしいです。さて、数日前のこと。おやつを食べていたら外がうるさいので出てみると、ブ〜ンとゴ〜ンが混じった轟音。隣に住む大家さんが、大きな tondeuse に乗って、tondre du gazon (芝刈り)中でした。みるみるうちに les pâquerettes も les pissenlits も、すっかり丸坊主になってしまい、トマは «Pourquoi il coupe toutes mes fleurs!»(なんで僕の花全部切っちゃうの!)と半べそ。 がしかし、さすが野の花。またアッという間に元気に伸びてきています。かくありたい、そして日本もそうなって欲しいと願います。

faux-filet:サーロイン

ここでの生活で、楽しいけれど結構面倒なのが aller au super-marché(スーパーに行くこと)です。 車がないので、郊外にあるいわゆる hypermarché (大規模スーパー)ではなく、歩いて10分くらいの Casino という中型のスーパーに行くことが多いのですが、特にトマがヴァカンスに入った今、子ども達2人を1人で連れていかねばならず、生協の宅配がかなり懐かしい今日この頃。しかもこの supermarché には、男子が大喜びの車型の chariot(カート)があり、最初の頃は、喧嘩しながらぎゅうぎゅうになって二人乗りをしていたのですが、最近はそこからルカが降りて à toute vitesse(全速力で)押したり、勝手に色んなものを入れたりするので、本当に目が離せません。そんな訳で、買い物はさっと素早く必要なものだけ chariot に入れて、後はある程度子ども達の気が済むまで des rayons(棚) の間をぐるぐる回って(もちろんdes jouets (おもちゃ)や des confiseries (あめなどのお菓子の類) の rayons は避けて・・・)さっさと帰るようにしています。そして hier soir (昨日の晩)、avant-hier (一昨日)買った faux-filet を焼こうと、le frigo(冷蔵庫) から出してみると、なんと、viande de cheval(馬肉)と書いてあるではありませんか!しかもorigine : Argentine(アルゼンチン産)・・・。なんでフランスまで来て、アルゼンチンの馬を食べなくてはならないのかと、かなりトホホな気分になりましたが、付け合わせの des pommes de terre (ジャガイモ)やらdes carottes (ニンジン)、un brocoli (ブロッコリー)も準備万端、de la sauce (ソース)のための des champignons de Paris (マッシュルーム)まで刻んであるという、私にしてはかなりがんばったdîner。仕方がないので、念のため子ども達の分は bien cuit (ウェルダン)にして、トマに言うときっと食べないと思ったので、何も言わずに小さめに切って、涼しい顔で食べさせましたが、気のせいかいつもより噛む回数が多かった気がします。結構固かったので・・。これからは急いでいても les étiquettes (ラベル) をしっかり見ようと心に決めた夜でした。 

cantine

la cantine:学校、会社などの食堂
先週は1週間もこのブログをサボってしまいましたが、それは la cantine のせいなのです。こちらの l’école (maternelle(幼稚園)、primaire(小学校)、le collège(中学校) から lycée(高校))では、le déjeuner(昼食)は家に帰って食べてもよく、そうでない場合はこの la cantine で食べることができます。 我が家の長男トマが l’école maternelle に行き始め、最初慣れるまでとりあえず午前中だけ行かせていたのですが、午後もあるとクラスの子に聞いて、行きたいと言い出しました。慣れない子育てに疲れてきた母は、よし、一日中預かってもらえるぞ、とほくそ笑みながらla maîtresse(先生) に話したら、C'est bien! とニコニコうれしそう。しかし、なんと、 «Mais, il n’y a plus de place à la cantine.» (でも給食は席がもうありません)と言われてしまいました。えっ!?給食無し?フランスは子育て環境が整っていると信じておりましたが、意外な落とし穴が待っていました。トマの l’école は朝 8:45に門が開き、9:00 からクラスが始まります。そして 11:45 にまた門が開くので、低年齢の子など、la matinée(午前中)だけ来る子や、家で le déjeuner (昼食)をとる子の親達が迎えに行き、l’après-midi(午後)も来る子は 14:00 からの la sieste (お昼寝)に間に合うようまた13:50頃やってきます。フランスでは企業でも昼休みが2時間あるところが普通で、職場がそれほど遠くない人は昼休みに家に帰る人も多く、昼間っから皆揃って食事をとり、またそれぞれ学校や仕事に行くという家族も珍しくありません。しかし、トマのl’école は、友達の子どもと同じ所に入れたという事情もあり、大人がさくさく歩いてun quart d’heure (15分)。もれなくルカもついて来るし、わざわざお昼ご飯を食べに帰るのも面倒な距離です。そんな訳で、朝一度帰って、des sandwichs(サンドイッチ)を作り、11:45にお迎えに行き、近くの公園で3人で食べて、そのまま13:45まで遊び、また l’école に連れて行き、ルカと2人で一旦帰り、そしてまた17:00に迎えに行くという、一日に la poussette(ベビーカー)で3往復もする羽目になってしまいました。今の所お天気がいいのが幸いですが、雨が降ったらお休みにするつもりのハメハメハな母です。ところで des sandwichs の中身はというと、du jambon(ハム), des tomates, de la salade, de la terrine(テリーヌ;カモなんかが美味しい!), des œufs durs (ゆで卵), des surimis(カニかまぼこがこんな風に呼ばれてます)なんかが我が家の定番です。la baguette (バゲット、いわゆるフランスパン)は固くて嫌だとトマが言うので、du pain de mie(食パン;日本のより2周りほど小さく、8枚切りよりやや薄いです)を使ったりしていましたが、最近は la mâchoire (あご)が強くなったのか、la baguette でも C'est bon! と言って食べています。ともあれ、vacances に入り、私のベビーカーマラソンも一休み。サンドイッチ作りも一休みです

glycine:藤

藤の花と言えば、藤娘や藤棚、藤あや子(?)など、和風なイメージですが、フランスでもたくさん植えられていて、今がちょうど花盛り。写真のように、家の壁伝いに植えられていることが多く、街角に良い香りを漂わせています。

その他、春の花と言えば日本でもおなじみの la tulipe (チューリップ)、ゴッホの絵で有名な l’iris (アイリス;アヤメ、花菖蒲の仲間)、フランスの街路樹の代名詞 le marronnier (マロニエ) の花もきれいです。

その中でも、私が好きなのは le pissenlit(たんぽぽ)に混じって公園や庭の芝生の間に咲いている la pâquerette(デージー、ひな菊)。日本でよく見る園芸種よりかなり小ぶりな野生種で、ささやかながらたくましそうなところが何とも言えません。Pâques(復活祭/イースター)の頃に咲くことからこの名がついたとのこと。

今年の復活祭は今週の日曜日、24日です。息子の幼稚園もヴァカンスに入ってしまいました。ようやく慣れてきたところだったので少し残念ですが、1週間海辺の家族のところへ行く友人達の留守宅を預かることになったので、息子達と一日中大きな庭で遊んでいます。今朝はルカがたんぽぽの綿毛を口にぱっくり入れてしまい、本人も私もびっくりでした・・・。

coup de pied

donner un coup de pied:蹴る
夜中にルカのキックを受けて、 «Lucas m’a donné un coup de pied!» (ルカが蹴った)とトマが目を覚ましました。何故かフランス語には「蹴る」という動詞がなく、un coup (打つこと)を donner(与える)という組み合わせでこの動作を表します。不思議ですね。ただ、 サッカーなどのボールを蹴ることは、英語のshoot から来た shooter を使うことも多いようです。 さて、この coup ですが、クーデター(coup d’État)のクーです。実際の発音はあまり伸ばさず、「クデタ」の方が近いですが、世界史のテストでは×なのでしょうね。また、pied ではなくmain(手) にして «donner un coup de main» となると、パンチをすることではなく、手助けすることになり、 «donner un coup de fil/un coup de téléphone» は電話をかけることになります。ちょっと一杯飲むことは boire un petit coup、こぼしてしまったら passer un coup de chiffon(さっと雑巾で拭く)すればいいので、coup de colère(かんしゃく)を起こさないようにしましょう。

école maternelle:幼稚園

日本では通常、共働きの家庭は保育園、お母さんが専業主婦の家庭は幼稚園、と子どもの行き先が分かれますが、フランスではみんな l’école maternelle に行きます。 通常3歳から6歳で、その後は l’école primaire (小学校)に入ります。l’école maternelle の受け入れ条件がおむつがとれていること (être propre) らしく、9月の新学期に合わせて親は必死でトイレットトレーニングをするとか。それはさておき、今日から我が家の長男トマもl’école maternelle に行くことになりました。おむつは取れており(彼の名誉のために、念のため・・・)4歳なので la moyenne section という4〜5歳の子が入るクラスに入れてもらいました。心配しながら迎えに行くと、«J’ai passé une bonne journée!» (良い一日を過ごしたよ!)とニコニコ顔。いつの間にか成長した息子の姿に、目頭が熱くなる母でした。

bouche d’incendie:消火栓


フランスに初めてやって来た頃、歩道の端にあるこの赤いものがとても気になりました。ほどなくune bouche d’incendie (une bouche (口)、l’incendie (火事) )だということを教えてもらったのですが、このレトロな感じの何とも言えない形が、古い町並みにマッチしていて好きでした。そして15年ほど経った今、我が家の息子達もどうやらこれが気になるらしく、立ち止まって遊んだり、道々数えたりしています。誰でも気になるものなのか、遺伝なのかは分かりませんが、同じものが好きというだけで頬が緩む母心です。さて、une bouche は口のことですが、火山の噴火口(la bouche d’un volcan)や換気口(la bouche d’air)などにも使われます。日本もフランスも発想は同じなのですね。ちなみに動物の口は une gueule, 鳥のくちばしは un bec と言い、俗語で人間の口にも使われます。

manège:メリーゴーランド


フランスの街のちょっとした広場でよく見かけるのが un manège です。日本の遊園地にあるような立派なものより2周りも3周りも小さなもので、回転木馬と言う方が似合うようなものですが、un cheval(馬)や une voiture (車)、un canard (アヒル)や un cygne (白鳥) などに乗った子ども達の笑顔はどこの国も共通なようです。ところが、先日おもしろい場面に遭遇しました!なんと、お巡りさん達 (des policiers) が開店準備中のこの le manège に乗っているではありませんか!ちょっと同僚達とふざけていたのだと思いますが、アッという間に人だかりができて、写真撮影に応じてくれていました。お茶目ですね。
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