égalité hommes-femmes


先日、Maison franco-japonaise (日仏会館) 主催の concours de français (フランス語コンクール) がありました。

今年で12回目を迎えるこのスピーチコンテストは、le niveau intermédiaire (中級) と le niveau supérieur (上級) の2つの部門があり、毎回それぞれにle sujet (テーマ) が設けられています。

今年は le intermédiaire が
Qu’attendez-vous de l’ère Reiwa ? (「令和」時代にあなたは何を期待しますか?)、
le niveau supérieur は
L’égalité hommes-femmes au Japon. (日本における男女平等について) でした。

今年は72名の応募があったそうですが、厳しい書類審査を経て、EFYから2名の finalistes (決勝進出者) が出たので、私も応援に駆けつけました。今回の finalistes は intermédiaire が6名、supérieur が9名の、合わせて15名。ちなみにefy生の2人は共にsupérieur へのエントリーで、1人は日本フランコフォニー推進評議会賞、もう1人は最優秀賞である日仏会館理事長賞に輝きました。大変嬉しく、また誇らしい気持ちでいっぱいです。

また、私自身、様々な des avis (意見), des points de vue (視点・観点) を聞いて、大変刺激を受けました。そして、改めて、外国語を学ぶことは、異なる文化、様々な考え方に触れるきっかけとなり、視野を広げることに繋がると実感しました。外国、特に欧米諸国を礼賛するということではなく、自分の常識は世界の常識ではない、世の中には色々な人がいるのだ、ということを肌で感じることで、本当にそれでいいのか?このままでいいのか?と、些細なことにも疑問を持ち、改善、向上を試みることが、より良い未来を作るのではないかと思っています。日本国内はもちろん、世界規模で解決しなくてはならない問題が山積みの現代。一人一人が当事者意識を持って、小さなことからでも改善していくことを願っています。

さて、今回の le niveau supérieur のテーマ、L’égalité hommes-femmes au Japon.

「男女平等」という le slogan (スローガン) が声高に唱えられた時期を経て、今や当たり前の概念になっている気にさせられますが、女性の社会進出が OECD 29 ヶ国で 28 位( 2017 年)という現状を考えれば、日本には今だに根強い男尊女卑があることを思い知らされます。

コンクールでは、女性側からの des affirmations (主張) が多いかと思いきや、les finalistes の中に、エフィ生も含め2名の男性がいて、男性側の意識にも変化が起きていることに、une surprise (驚き) と un soulagement (安堵) を覚えました。
les congés parentaux (育児休暇), l'ordre de succession au trône (皇位継承問題), les inégalités de salaires (賃金格差), などに始まり、日常の何気無い言動の中にも、男女不平等に対する無意識下の意識があることを考えさせられる内容もありました。

私自身は、本当は息子が欲しかった父から、comme un garçon (男の子のように) 育てられたため、子どもの頃から「女の子だから」「女の子なのに」という類のことは言われた記憶がありません。それは今思えばかなり有り難いことだったのだと思います。親世代の意識が変わることで、社会が少しずつ変わって行くのかもしれませんね。

また、一般的に男性よりも女性の方が語学が得意な人が多いと言われ、実際に語学を活かした職種で活躍する女性は多いような気がします。

Les langues étrangères peuvent être une arme pour les femmes. (語学は女性の武器になる)

私の周りにも、この武器を活かして闘っている女性がたくさんいます。

des touristes étrangers (外国人旅行客) だけでなく、des résidents étrangers (外国人居住者) が益々増えることが予想されるこれからの日本で、la mondialisation (グローバル化) が進む世界で、しなやかな強さと確かな語学力を持って活躍する女性が増えることを期待します。

regret


旅行好きの父が、先月、ついに遥か遠くに旅立ってしまいました。仏検直前という時期に、急な休講などで大変ご迷惑をお掛けしましたこと、改めてお詫び申し上げます。

奇しくも、その日は l’anniversaire de mon mari (ダンナの誕生日)。contre (反対) とも pour (賛成) だとも言わせる隙を与えずに le mariage (結婚) を決めてしまった娘に対する、最後の la résistance (抵抗) だったのかもしれません。

これからは chaque année (毎年) こんな声が聞こえそうです。
「オレの命日にダンナの誕生祝いなんかやってんじゃないよ」

depuis quelques années (数年前から) 体のあちらこちらに les uns après les autres (次々と) les cancers (ガン) が見つかり、闘病生活をしておりましたし、そもそも un certain âge (それなりの年齢) でしたので、dans un avenir proche (近い将来) こんな日が来ることは覚悟をしていました。

とは言うものの、4月には最後の力を振り絞り、 son dernier voyage à l’étranger (最後の海外旅行) と称して Paris と Londres に行ってきたばかりでしたし、5月の連休に帰った時にはまだ自宅で日常生活を送っていたので、まだまだ大丈夫だと思っていた為、正直なところ、心の準備はあまりできていませんでした。

逆に言うと、あまり長い間苦しむこともなかったですし、最後まで父らしく過ごしていたので、喜ぶべきことなのかもしれません。

ただ、そう思うようにしてみても、親不孝者の娘は le regret (後悔) ばかりです。

J’aurais dû aller le voir plus souvent. (もっと頻繁に会いに行けば良かった)
J’aurais dû lui dire des mots plus gentils. (もっと優しい言葉をかければ良かった)

 “J’aurais dû …” は「~ねばならない」を表す動詞、devoir の条件法過去を使って、「~すべきだったのにしなかった、できなかった 」という後悔を表す言い方です。

でも、quelques jours avant sa mort (亡くなる数日前)、病院で付き添っていた ma sœur (姉) にこう言ったそうです。

「楽しい人生だった。一片の悔いもない。」
フランス語にすると、こんな感じが一番近いでしょうか。

“ J’ai eu une vie bien agréable. Je n’ai aucun regret.”

“aucun” は「どんな〇〇も、一つの〇〇も(ない)」という否定の形容詞です。形容詞なので、後に来る名詞が女性形の場合は “aucune” と女性形になります。

父なりに、色々と苦労もあっただろうし、もっとやりたかったこともあったに違いありません。

でも、それら全てを受け入れて、自分の中で消化し、人生の最期の時にこんな風に言えるのは本当に素晴らしいし、娘としても嬉しく、一人の人間として羨ましいです。

「かく生きよ。」” Que tu vives ainsi.”

そんな大きな宿題を課された気がします。

「やった後悔はだんだん小さくなるけれど、やらなかった後悔はだんだん大きくなる」

そんな言葉もどこかで聞いたことがあります。確かにそうかもしれません。

思い通りになることの方が少ないかもしれないけれど、一度きりの人生、regret のないように生きたいものですね。

dernier

いよいよ平成が終わりますね。
昨年の秋あたりから巷で大流行りなのが「平成最後の〇〇」。

今週は私も ”Aujourd’hui, c’est le dernier cours de Heisei.” (今日は平成最後のレッスンです) などと言いながらレッスンをしております。

le dernier と言われると、なんだかムズムズしてしまうのが人の la psychologie (心理) でしょうか。

そんな訳でもう一つ、le dernier blog de Heisei (平成最後のブログ) を書かせて頂きます。  

さて、「最後」は フランス語で dernier ですが、 この語は形容詞なので、男性名詞につけば dernier, 女性名詞につけば dernière, 複数形にはそれぞれ -s がつく、というように形が変化します。  
例えば
「平成最後の春」は le dernier printemps de Heisei ですが、
「平成最後の週」は la dernière semaine de Heisei,
「平成最後の宿題」は les derniers devoirs de Heisei,
そして「平成最後の夏休み」は les dernières vacances d’été de Heisei, 
のように、それぞれ名詞の性と数に一致させます。 

そしてさらに、この語は位置によって意味が変わるので注意が必要です。
例えば、先ほどの le dernier printemps を名詞と順番を逆にして le printemps dernier にすると「去年の春」、 同様に、la dernière semaine を la semaine dernière にすると、「先週」という意味になってしまいます。

つまり、この dernier という形容詞は、名詞の前につけると「最後の」ですが、名詞の後に来ると、「すぐ前の」という意味になるのです。前者の反対語は premier なのに対し、後者の反対語は prochain という対応だと思えばわかりやすいでしょうか。

例えばこんな感じです。
 la dernière semaine (最後の週) ↔︎ la première semaine (最初の週)
 la semaine dernière (先週) ↔︎ la semaine prochaine (来週)   

 そんな訳で、例えば「去年息子は小学校6年生 (最終学年) だった 」は
 “ L’année dernière, mon fils était en dernière année de l’école primaire.” となります。
ややこしいですね。 

さてさて、それではこの辺で、le dernier blog de Heisei を終えたいと思います。 le premier blog de Reiwa もお楽しみに!

un incendie

Notre Dame est en feu ! (ノートルダムが燃えています!) 

月曜日、パリの la cathédrale de Notre-Dame (ノートルダム大聖堂) で大きな un incendie (火災) が起きました。夜を徹する消火活動の末、ようやく火曜の朝に鎮火されましたが、un bâtiment saint (神聖な建築物) であるだけでなく、un symbole de Paris (パリのシンボル) , un symbole de la France (フランスのシンボル) であり、850年の歴史を誇る、それ自体かけがえのない une œuvre d’art (美術作品) であるこの la cathédrale がここまでの un dégât (被害) を受けたことに、les Parisiens, les Parisiennes (パリ市民) のみならず、多くのフランス人、そして世界中の人々がショックを受けていることと思います。 

もちろん、私自身何度か足を運んだ場所なので、les flammes (炎) が上がる映像に目を疑ったと同時に、大きな衝撃を受けましたが、死傷者が出なかったこと、la structure (構造部分) は倒壊を免れたこと、les trésors (宝物) は無事に安全な場所に運び出されたことに少しホッとしました。ちなみに、les trésors の中には、la sainte Couronne (イエス・キリストが十字架にかけられた際に被っていたとされるいばらの冠), la tunique de saint Louis (ルイ9世がこのいばらの冠をパリに持ち帰った際に着ていたとされる上着) , un morceau de la Croix (キリストがかけられた十字架の一部) や un clou de la Passion (キリストが十字架にはりつけにされた際に使用された釘) などが含まれるそうです。 一体どんな物なのか、これもちょっと、気になりますね。

 Le président Emmanuel Macron (エマニュエル・マクロン大統領) は ”Nous rebâtirons la cathédrale Notre-Dame plus belle encore.” (我々はノートル・ダム大聖堂を、さらに美しく再建する) 、”d’ici cinq années” (5年以内に)、 と話しており、すでに des fortunes françaises 仏富豪や企業、行政機関が相次いで支援を表明し、les dons 寄付金の総額はおよそ7億ユーロ(約880億円)に達しているとのこと。こうしてこのブログを更新している間にも世界中から les dons が集まっていることでしょう。

 ただ、これらの企業には des réductions d’impôts de 60 % (60%の減税) という優遇措置があるそうで、それに対しての批判も噴出しています。富の不平等と低所得者層の窮状に注目が集まるフランスでは、その一部が貧困層支援に使われるべきではないかとの声が上がっているようで、その批判を受けて、税額控除の権利を放棄すると表明する企業も出てきています。 個人的には、こんなに短期間でこれほどの巨額の資金が集まったことに、この la Notre-Dame が人々にとっていかに大切な存在であるかがうかがえ、単純に感動し、分裂気味のフランス社会が再び la solidarité (連帯感) を持つきっかけになってくれたらいいなと思っていたのですが、なかなか難しいですね。 

また、5年というのは難しく、数十年はかかる、との専門家からの指摘もあるようですが、le premier ministre (首相) の Édouard Philippe は17日、la flèche qui s’est effondrée (崩壊した尖塔) の再建用デザインを世界中の建築家から公募する計画を発表しました。 巨額の富がどのように使われるのか、la reconstruction (再建) には何年かかるのか、そしてどんなデザインになるのかわかりませんが、とにかく首を長くして待ちたいと思います。

la nouvelle ère


いよいよ le nom de la nouvelle ère impériale (新しい元号) が発表されましたね。

それぞれフランス語にすると、

「令」: «agréable» ou «ordre» 
「和」: «harmonie» ou «paix» 

といったところでしょうか。



『厳しい寒さの後に春の訪れを告げ、見事に咲き誇る梅の花のように、一人一人の日本人が明日への希望と共にそれぞれの花を大きく咲かせることができる。そうした日本でありたい。』

と、le premier ministre Abé (安倍総理大臣) が le conférence de presse (記者会見) で話していました。

" Le printemps vient après l'hiver sévère." (厳しい冬の後に、春は来る)


確かにそうですね。
ここ数日寒い日が続きますが、皆さまの元に素敵な春が訪れること、そして、新しい時代が l'espoir (希望) に満ちたものであることを祈ります。 

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