le décalage horaire:時差



先週の金曜日、無事に親子三人帰国しました。あっと言う間に1週間経ってしまいましたが、まだ le décalage horaire (時差) のせいでぼんやりしています。今フランスは l’heure d’été (夏時間) なので、日本との le décalage horaire は7時間、日本の midi (正午)は朝の5時です。元々早起きが苦手な私は、朝が本当に辛いですが、夕方になるとパキッと目が開いて元気になってしまいます。子ども達も最初の数日は夜なかなか寝てくれず、しかも夜中に何度も起きたりした挙げ句、昼頃までぐっすり眠ってましたが、 la crèche (保育園) に行き始め、昼間たっぷり遊ぶようになってからは、元の生活リズムを取り戻しているようです。さて、le décalage とは「ずれ」のことですが、今回の滞在で、日本人とフランス人の le mode de vie (暮らし方) の le décalage を改めて感じました。住んでいたのが Paris や Lyon ではなく小さな街だったということもあるとは思いますが、フランス人はいわゆる l’art de vivre (生きる技術、生活を楽しむこと) に長けています。美味しいものを食べて飲んで、家族や友人とおしゃべりを楽しんで、ぐっすり眠ってまた次の日が始まる。le bonheur (幸福) は毎日のささやかな生活の中にあるはず。la maison (家) と la crèche, EFY の間をドタバタ走り回っていた以前の日常生活が情けなく思え、子ども達もずいぶん犠牲にしていたなと反省しました。これからはもう少し余裕を持って暮らしていきたいと思います。そしてこのブログも続けていきたいと思いますので、 引き続きお付き合い頂ければ幸いです。

les vignes:ブドウ畑


今回の滞在は、Bourgogne 地方の Beaune という小さな街が拠点です。Bourgogne といえば la gastronomie (美食)、そして何と言っても le vin (ワイン)で有名な地方。Beaune の街にも、ちょっと歩くと le vin, la dégustation (テイスティング), le bar à vin (ワインバー) などといった les panneaux (看板) があちこちに目につきます。
その前をよだれを垂らしながら la poussette (ベビーカー) で通ったり、昼間っから美味しそうに des verres (グラス) を傾けて談笑する人たちを横目に、トマに de la glace (アイス) を食べさせたり、ルカに授乳をしたりしているかなり frustrée (欲求不満な) 母です。

それはさておき、この Beaune の街を少し離れると、もう周り中が les vignes (ブドウ畑) です。日本では les raisins (ブドウ) は棚のように仕立て、les fruits (実) はぶら下がっているのが通常だと思いますが(ワイン用のものはどうだか知りませんので、ご存知の方は教えてください)、こちらでは大人の腰の高さ程度の木に仕立て、広い広い畑に整然と植えられています。

この地域は la Côte d’or (côte:丘、or:金) と呼ばれ、燦々と注ぐ太陽に照らされたこの丘陵を見ると、なるほどうまい命名だと感心させられます。週末には友人達が grand cru (特級格付けワイン) の les vignes に la promenade (散歩) に連れていってくれます。あの Romanée Conti の les vignes にも行ってきました。

今はちょうど les vignes に 小さな des bébés raisins (ブドウの赤ちゃん) が付き、les vignerons (ブドウ栽培者)達が忙しくなり始める時期です。今年は異常気象で、好天続きで気温も高く、la poussette で移動し le parc (公園) で le déjeuner (昼食) をとる我々には大変ありがたいですが、les vignerons を始め、le vin に関わる仕事をする方々は特に la sécheresse (日照り)を心配しています。la nature (自然) 相手には、人は本当に無力ですね。今年も美味しい le vin が飲めますように。

le goûter:おやつ



le goûter は子どもにとって4つ目の大事な le repas (食事)です。日本でおやつと言えば3時ですが、フランスでは quatre heures (4時)、Il a mis son quatre-heures dans son sac. (彼はかばんにおやつを入れた)のように、4時=おやつという意味にもなっています。

でも、日本の保育園と違って l’école で le goûter が出されることは一切なく、cinq heures (5時)に終わってから食べるので、フランスの子ども達は燃費のいい体になっているのかもしれません。
我が家のトマは、初めの頃は迎えに行くともう飢餓状態で、la fatigue(疲れ)+ la faim(空腹)= la mauvaise humeur(不機嫌)で途中の公園で泣き叫んだりと大変でしたが(それにしても子どもは、なぜ疲れたり空腹だったりする時に、ぎりぎり残っているエネルギーを無駄に消費してしまうのでしょう?そこが子どもなんでしょうけど・・)だんだん慣れてきました。

さて、フランスの le goûter の定番はと言えば、やはり les biscuits (ビスケット) や le chocolat (チョコ), les fruits (果物) です。まだ1歳になるかならないかの、離乳食を食べているような赤ちゃんも le chocolat がべったりの les biscuits や le gâteau chocolat を食べていたりして、かなりびっくりしました。la digestion (消化), les carie (虫歯)や l’obésité (肥満) など心配ですが、こちらのお母さん達はあまり気に留める様子もないようです。

我が家の息子達のお気に入りは la compote。フルーツパーラーで出てきそうな、いわゆるコンポート、果物の砂糖煮とはちょっと違って、とろとろの、果物の purée (ピュレ)のようなものです。yaourt (ヨーグルト)のように小さなカップに入っている物や、日本でよくあるゼリー飲料のように、キャップをぐるっと回して開けると直接飲めるような物もあり、持ち運びに便利です。

la pomme (りんご)  が基本で、それに la poire (洋梨) や la banane (バナナ), les fraises (イチゴ)、l’abricot (アプリコット) や le pruneau (干しプルーン)なんかが混じっていたりします。我が家ではなるべく sans sucres ajoutés (糖分無添加)や allégée en sucres (糖分控えめ) と書かれたものを選ぶようにしていますが、それでも信じられないくらい甘いものが多いのは、もともとの果物の甘さが強いのでしょうか。

ところで、昨日は母の晩酌のおつまみ用に買った les fèves grillées salées (ソラマメの塩煎り(?) を試しにやってみたら、二人とも大喜び。辛党間違い無し、さっそく将来が楽しみの母です。

T’as pas le droit!


T’as pas le droit! :しちゃだめ!
初めてフランスにやって来た10数年前、初めの数ヶ月は小さな子どもが3人いるシングルマザーのところに下宿していました。le cadet (末息子) の Maxime は、今思うと我が家のトマと同じ年頃だったような気がします。この Maxime君、特に朝は de mauvaise humeur (機嫌が悪い) ことが多く、 le petit-déjeuner (朝食) の時に « Kyoko n’a pas de droit de prendre de beurre!» と言われてしまうことがありました。 le droit は「権利」、avoir le droit de + 動詞の不定詞で「〜する権利を持つ、〜する資格がある」という意味になります。フランスではパンに du beurre (バター) を塗るのにも権利を主張しなくてはいけないのだなと、仕方なく de la confiture (ジャム) だけ塗りながら感心したものですが、実はこの表現、「〜しちゃだめ!」くらいの軽い意味で、日常的によく使われています。Maxime も単に「バター塗っちゃだめ!」と意地悪を言っていたのですね。 本当は tu as ですが、日常生活では t’as とくっつけ、表題のように de 以下を省いて使うこともできます。 トマもよく言うようになりました。書いている最中の物を見る権利、彼のおもちゃで遊ぶ権利など、いろんな権利を奪われてしまっている母と弟ルカです。

toboggan:滑り台

ここフランスでも、子どもの遊び場に大抵あるのが le toboggan (滑り台)。私達が毎日お昼にサンドイッチを食べる l’école のすぐ側の公園にももちろんあります。お昼にお迎えが来る子どもは家でdéjeuner(昼食)をとり、l’école に残る子は la cantine (学校の食堂) で食べるので、お昼過ぎの時間帯は誰もいないことが多く、広い公園丸ごと我が家の貸し切り状態ということも稀ではありません。le toboggan の横にある un bateau (船) に乗って食べたり、そのまた横にある un dauphin (イルカ)の le dos (背中) にまたがって食べたりすることも。そして食後はもちろん思い切り遊びます。面白いのは、日本の公園だと、子ども達が転んでも痛くないようになのか、わざわざ遊具の周りに la pelouse (芝生) を植えてあることが多いですが、ここでは公園中 la pelouse なのに、きれいに遊具の周りを四角く囲って、des cailloux (小石,砂利;un caillou, 複数形は-x ) が敷き詰めてあります。このdes cailloux が子ども達の良い遊び道具で、ちょっとした un bac à sable (砂場) 代わりになっており、まだ歩けない des bébés (赤ちゃん) をちょこんと座らせているお母さんも。さて、初めの頃は普通に le toboggan を滑っていた我が家の子ども達ですが、最近は滑る側からよじ登ったりするのはもちろん、この des cailloux を滑る板にどっさり載せて、そこへ思い切り滑り降りたりと、遊び方も変わってきました。この le toboggan の板は en métal (金属製、おそらく inox(ステンレス)の類い) で、des cailloux を豆のように撒くとじゃらじゃらと大きな音がするので、 昨日は二人でゲラゲラ笑いながらひたすら砂利撒きを楽しんでおりました。しばらくして、ルカが静かに口をもぐもぐ動かしているなと思ったら、中から案の定ピカピカの des cailloux が出てきました。こうして l’immunité (免疫) がつくのです、きっと。
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...