T’as pas le droit!


T’as pas le droit! :しちゃだめ!
初めてフランスにやって来た10数年前、初めの数ヶ月は小さな子どもが3人いるシングルマザーのところに下宿していました。le cadet (末息子) の Maxime は、今思うと我が家のトマと同じ年頃だったような気がします。この Maxime君、特に朝は de mauvaise humeur (機嫌が悪い) ことが多く、 le petit-déjeuner (朝食) の時に « Kyoko n’a pas de droit de prendre de beurre!» と言われてしまうことがありました。 le droit は「権利」、avoir le droit de + 動詞の不定詞で「〜する権利を持つ、〜する資格がある」という意味になります。フランスではパンに du beurre (バター) を塗るのにも権利を主張しなくてはいけないのだなと、仕方なく de la confiture (ジャム) だけ塗りながら感心したものですが、実はこの表現、「〜しちゃだめ!」くらいの軽い意味で、日常的によく使われています。Maxime も単に「バター塗っちゃだめ!」と意地悪を言っていたのですね。 本当は tu as ですが、日常生活では t’as とくっつけ、表題のように de 以下を省いて使うこともできます。 トマもよく言うようになりました。書いている最中の物を見る権利、彼のおもちゃで遊ぶ権利など、いろんな権利を奪われてしまっている母と弟ルカです。
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