先日、5年生になった長男が、le lendemain (翌日) テストがあるというので、漢字の書き取りをしました。
「猫をかう」と言ったところ、
「買う」と書くので、
「ペットショップに行くわけじゃないの!」と言ったら、
「だってお母さん、『買う』って言ったよ。テストに出るのは、『飼う』だよ」
と返してくるので、
「知ってんだったら、最初からそう書きなさいよ!」
と、危うく親子ゲンカになりそうになりましたが、
どうやら、私の l’intonation (イントネーション) が違っていたようです。母の威厳を保つべく、次回からは、面倒でも紙に書いてテストをしようと心に決めました。
富山生まれ富山育ちの私の母語 (la langue maternelle) は富山弁。普段は標準語を話しているつもりですが、未だに l’intonation が怪しい語が時々あります。結局『買う』と『飼う』の違いはよくわかっていませんし、「実が『なる』」と「ベルが『なる』」の違いや、「タマが子猫を『産む』」と「足の怪我が『膿む』」などは、いつまでたってもうまく使い分けられません。
同じ音の単語でも、「橋」(le pont) と「箸」(les baguettes), 「雨」(la pluie) と「飴」(les bonbons) 、「雲」(les nuages) と「蜘蛛」(l’araignée) など、l’intonation で意味が変わり、また、地方によっても違うので、日本語は本当に難しいですね。
フランス語も、la prononciation (発音) が難しい、とよく言われる言語ですが、いわゆる「訛り」のことは l’accent と言います。
「訛りがある」は avoir de l’accent,
それが例えば
日本語訛りであれば、l’accent japonais,
英語訛りならば l’accent anglais となります。
地方を表す形容詞を付けて、
l’accent marseillais (マルセイユ訛り) や l’accent bordelais (ボルドー訛り)
という使い方もできます。
外国語を学んでいると、parler sans accent (訛りなしで話す) ことに憧れを抱くもので、私もかなり苦労して、努力を重ねてここまで来ましたが、今となってみたら、le malentendu (誤解) を招かない程度の l’accent は、むしろ charmant (チャーミング・魅力的) に思えます。
sans accent で薄っぺらい話をするより、 l’accent が多少あっても、自分の意見を自分の言葉でしっかり伝えられる方が良いですよね。
とは言うものの、フランス語は音をとても大切にする言語ですから、一つ一つの単語の la prononciation はもちろん、l’intonation にも気をつけながら、これからも頑張っていきましょう!