このご時世、老若男女を問わず faire la cuisine (料理をする) ことは生きる上で必要な la capacité (能力) とされているようで、l’école maternelle (幼稚園) や l’école primaire (小学校) でも un stage de cuisine (調理実習)が行われているようですね。
次男がお世話になっている la crèche (保育園) でも、4歳児のクラスから un stage de cuisine があり、また、給食で使われる les oignons (タマネギ) などの les légumes (野菜) は子ども達が剥いています。
次男がお世話になっている la crèche (保育園) でも、4歳児のクラスから un stage de cuisine があり、また、給食で使われる les oignons (タマネギ) などの les légumes (野菜) は子ども達が剥いています。
つい先日も le tablier (エプロン), le masque (マスク), le bandana (三角巾、バンダナ) の三点セットを持っていったので、
「今日のクッキング、何を作ったの?」
と尋ねると、
「作ったんじゃないの。魚をさばいたの。」
と答えが返ってきました。
えらい高度なことをやるんだなと驚いていると、
「『イワシのてびらき』をやったんだよ。小さなお魚にね、指を入れてね、お腹を出してね・・・」
と、des gestes (身振り、ジェスチャー) 付きで説明してくれました。
先日、たまたま à la radio (ラジオで) 聞いたのですが、「魚をさばく、おろす」というのは、とても日本的な調理手順だそうですね。イタリアで des restaurants japonais (和食レストラン) を展開されている方の une interview でしたが、現地で技術指導をしているけれども、かなりの腕の un cuisinier (料理人) でも、魚を上手にさばくのは、なかなか難しいとのこと。la technique (技術) ではなく、la culture (文化) の問題だともおっしゃっていました。
フランスでも、「魚をさばく」という観念はありませんが、le poulet (鶏肉) は le rôti (ロースト) など、丸ごと調理することが多いので、それをさばきます。これは力もいるので、男性の役割になっていることが多いようです。
私が留学生時代に下宿していた家庭でも、le poulet rôti の晩はお父さんの出番。普段は料理をしない方でしたが、un couteau (ナイフ) を手慣れた手つきで扱い、du blanc (白身;胸肉やササミの部分), des ailes (手羽), des pillons (足の下の部分) などに切り分けて、家族全員の des assiettes (お皿) に順番に取り分けて下さいました。
そして、面白いのは、 le sot-l’y-laisse という部分。 直訳すると、le sot (愚か者) は le (それ) を y (そこに) laisse (残す) という意味です。お尻の上の方のとても小さな部位で、目立たないため、こんな名称らしいですが、それにしても長いですよね。
“ Et voilà le sot-l’y-laisse. Comme je ne suis pas sot, je ne l’y laisse pas !” ( さあ、le sot-l’y-laisse だよ。ボクはバカじゃないから、残さないよ!)と言って、よく私の l’assiette によそってくれたことが、懐かしく思い出されます。
我が家の息子達には、le poisson も le poulet もさばける、カッコいいお父さんになってもらいたいものです。