escroquerie

小学2年の次男が、どこかで「オレオレ詐欺」という言葉を覚えてきました。   
「『オレオレ詐欺』ってさあ、『先週もらったお小遣いの1000円、なくしちゃったからまたちょうだい』とか、そういうやつだよね?」
いいえ、それはただのドラ息子です。

さて、「オレオレ詐欺」も、昨今 variation (バリエーション) が増えて、今では「特殊詐欺」と呼ぶそうですね。「詐欺」はフランス語で l’escroquerie と言います。詐欺をする人、つまり「詐欺師」のことは un escroc, 「金品をだまし取る」という意味の動詞は escroquer で、例えば次のような使い方ができます。
 C’est un escroc. Il escroque tout le monde. (彼は詐欺師だ。誰かれなくだまし歩いている)
 
「だまし取られた」という受け身の形で言いたい時には、se faire を使って、  
Il s’est fait escroquer. (彼はだまされた)
のように言うことができます。 

一方、金品に関わらない、もっと広い意味での「だます」場合は tromper を使います。こちらは「だます」だけでなく、
Elle a trompé la confiance de ses parents. (彼女は両親の信頼を裏切った)
のように「期待や信頼などを裏切る」という意味や、
Il a bu de l’eau pour tromper sa faim. (彼は空腹を紛らわすために水を飲んだ)
のように、「欲求などをごまかす」という意味でも使うことができます。
また、ll a trompé sa femme. (彼は浮気をした)
という使い方もできます。

さらに、この tromper を se tromper と代名動詞にすると、「間違える」という意味になります。自分で自分を騙すことが、間違えるという意味になるのが面白いですね。動詞の後に de + 無冠詞の名詞をつけて次のように使います。  
Je me suis trompé de date. (日にちを間違えた)
Je me suis trompé de route. (道を間違えた)

でも、例えばフランス語を話したり書いたりする際に「間違う」ことは、
J’ai fait une faute d’orthographe. (スペルミスをした)
J’ai fait beaucoup de fautes dans la dictée. (書き取りでたくさん間違えた) 
のように、faire une faute と言います。

色々と使い分けるのは難しいですね。

でも、何事も On fait des progrès en faisant des fautes. (間違えながら上達する) ものですから、これからも頑張っていきましょう!

journal intime


先日、息子達と un centre commercial (ショッピング・センター) へ行ったところ、小2の次男が 
« Je voudrais un cahier. » (ノートが欲しい) 
と言うので、une papeterie (文房具店) へ入りました。

l’école (学校) で使うノートは足りているはずなので、どんなノートが要るのか聞いたら、

「人生で起きたことを、忘れないように書いておくためのノートが欲しい」
とのこと。

あのぅ、それは、世間一般で言うところの「日記」ですかね・・・。 

結局、la couverture (表紙) も自分で作りたいからと、le plus simple possible (できるだけシンプルなもの) を選び、ご満悦で家に帰りました。

ところで、「日記」はフランス語で、le journal intime と言います。
le journal は「新聞」と覚えていらっしゃる方は多いと思いますが、 実は「日記」という意味もあるのです。intime は「親密な」や「私的な」という意味で、le journal だけでも充分なのですが、intime をつけると、より一層、「自分のためにつける日記」という意味合いが強くなります。

また、日記を「つける」と言いたい時には、écrire ではなく、tenir le journal と言います。
フランス語学習は、単語・表現や文法、動詞の活用など、覚えることが多くて、インプットに偏りがちですが、習ったことを出すアウトプットも大切なので、tenir son journal intime はお勧めの学習法です。たった一言でも、その日にしたこと、明日の予定などを l’agenda (手帳) に書いてみるのも良いですね。

さて、我が家の次男の le journal はというと、
« Finalement, ja vais écrire une histoire. »「やっぱりお話書くことにする」

と言って、une aventure d’un inventeur anglais (イギリス人発明家の冒険) の une histoire (お話) を書き始めました。まるで le journal のように、avant de se coucher (寝る前に) 少しずつ書いているのですが、親バカ母は今から仕上がりが楽しみです。さあて、いつになるやら・・・・。

accent

先日、5年生になった長男が、le lendemain (翌日) テストがあるというので、漢字の書き取りをしました。

「猫をかう」と言ったところ、
「買う」と書くので、
「ペットショップに行くわけじゃないの!」と言ったら、

「だってお母さん、『買う』って言ったよ。テストに出るのは、『飼う』だよ」
と返してくるので、
「知ってんだったら、最初からそう書きなさいよ!」

と、危うく親子ゲンカになりそうになりましたが、
どうやら、私の l’intonation (イントネーション) が違っていたようです。母の威厳を保つべく、次回からは、面倒でも紙に書いてテストをしようと心に決めました。

富山生まれ富山育ちの私の母語 (la langue maternelle) は富山弁。普段は標準語を話しているつもりですが、未だに l’intonation が怪しい語が時々あります。結局『買う』と『飼う』の違いはよくわかっていませんし、「実が『なる』」と「ベルが『なる』」の違いや、「タマが子猫を『産む』」と「足の怪我が『膿む』」などは、いつまでたってもうまく使い分けられません。

同じ音の単語でも、「橋」(le pont) と「箸」(les baguettes), 「雨」(la pluie) と「飴」(les bonbons) 、「雲」(les nuages) と「蜘蛛」(l’araignée) など、l’intonation で意味が変わり、また、地方によっても違うので、日本語は本当に難しいですね。

フランス語も、la prononciation (発音) が難しい、とよく言われる言語ですが、いわゆる「訛り」のことは l’accent と言います。

「訛りがある」は avoir de l’accent, 
それが例えば
日本語訛りであれば、l’accent japonais, 
英語訛りならば l’accent anglais  となります。

地方を表す形容詞を付けて、
l’accent marseillais (マルセイユ訛り) や l’accent bordelais (ボルドー訛り)  
という使い方もできます。

外国語を学んでいると、parler sans accent (訛りなしで話す) ことに憧れを抱くもので、私もかなり苦労して、努力を重ねてここまで来ましたが、今となってみたら、le malentendu (誤解) を招かない程度の l’accent は、むしろ charmant (チャーミング・魅力的) に思えます。
sans accent で薄っぺらい話をするより、 l’accent が多少あっても、自分の意見を自分の言葉でしっかり伝えられる方が良いですよね。
とは言うものの、フランス語は音をとても大切にする言語ですから、一つ一つの単語の la prononciation はもちろん、l’intonation にも気をつけながら、これからも頑張っていきましょう!

Abribus

先日、息子達と出掛けた帰り道、家の近くの l’arrêt de bus (バス停) に貼ってある la bière (ビール) の une publicité (広告) を見つけた次男が、

「あ!『やっちゃえ日産』の人だ!」と指差しました。
そして、
「この人って、宣伝のプロの人?」と長男。

「・・・・。」(私)

家庭教育ができてなくて、すみません、永ちゃん。
今度の休みに、le roi du rock n roll (ロックの王様) の姿を見せておきます。

ちなみに、日本では「〇〇の神様」とよく言いますが、フランスでは le roi de 〇〇を使うことが多いようです。唯一神が文化の基本にある国と、八百万の神様がいる国では、un dieu / une divinité (神様) の重みが違うのかもしれませんね。日本には le roi がいたこともありませんから、馴染みがないことも関係しているかもしれませんが。 

さて、それはさておき、depuis quelques années (数年前から)、横浜市の、特に大通り沿いの les arrêts de bus が、un toit (屋根) と un banc (ベンチ) 付きの confortable (快適な) で、ちょっとオシャレなものに取り替えられています。そして la plus grande caractéristique (一番大きな特徴) は、大きな une publicité が付いていること。

実はこれ、フランスの JCDecaux という会社が発案した l’Abribus というもので、広告収入で l’installation (設置) から l’entretien (維持・管理) の les frais (費用) をまかない、la compagnie de bus (バス会社) や les municipalités (自治体) の負担は0という、画期的な le concept (コンセプト) なのです。

l’abri は「保護する、防ぐ、(人を) 収容する」という意味の abriter という意味の動詞の名詞で、「避難所」「避難小屋」「防空壕」という意味があります。また、à l’abri de 〜「(危険・不都合なこと) を逃れて 」という表現でも使われます。

sur toute la France (フランス中に) 広まり、今では l’Europe (ヨーロッパ) だけでなく、l’Amérique du Nord (北アメリカ), l’Amérique du Sud (南アメリカ), l’Afrique (アフリカ), le Moyen-Orient (中近東), l’Asie (アジア), l’Océanie (オセアニア) と、世界中で取り入れられ、日本では三菱商事との合弁会社、MCdecaux が管理運営しているようです。


そのままフランス語をカタカナにすると、「アブリビュス」と、なんか居酒屋かお寿司屋さんで出てきそうなメニューっぽいからなのか、今のところ「広告付きバス停留所上屋」や「広告パネル付きバスシェルター」と呼ばれているようですが、そのうち、短くて親しみやすい名前が付けられるといいですね。

Mont Fuji



今、le cousin de mon mari (ダンナの従兄弟) と sa femme (彼の奥さん) がフランスから遊びに来ています。un peu moins de deux semaines (2週間弱) の滞在で、しかも初めての日本、初めての l’ Asie (アジア) ということで、やれ le quartier chinois (中華街) だ、やれ鎌倉だ、やれ浅草だと、毎日忙しく観光しています。

そして、昨日の朝、sa femme から、

« Je voudrais voir le Mont Fuji. » (富士山が見たいの。)

とリクエストがありました。やはり、日本と言えば、フジヤマなんですねえ。
ce week-end (今週末) の予定は京都観光なので、

« Tu pourras le voir du Shinkannsenn. » (新幹線から見えるよ。)

と言ってみましたが、そんなんじゃ、満足できない様子。この時期、お天気が良いと、家の近くの公園からも頭がちょこっと見えることがあるんですけどね。やはり une carte postale (絵葉書) みたいなのが見たいのでしょう。お風呂屋さんにでも連れて行ってみましょうか。

さて、フランス語で「山」は la montagne ですが、「富士山」のように「〇〇山」という時には、le mont 〇〇 と言います。例えば、le guide Michelin (ミシュランガイド) にも掲載され、les touristes étrangers (外国人観光客) も大勢訪れるようになった 高尾山 は le mont Takao と言います。子供達と先日行ってきましたが、le mont Fuji が綺麗に見えました。

 ちなみに、les marrons (栗) のお菓子、le Mont-blanc (モンブラン) の mont もこれです。les marrons のペーストがモリモリの感じを le plus haut sommet d’Europe (ヨーロッパ最高峰) に見立ててついた名前らしいですが、blanc は白、つまり「白山」という意味なのです。

この頃は「紫芋のモンブラン」や「イチゴのモンブラン」なるものもお見かけすることがありますが、
「これじゃ、le mont-violet、le mont-rose でしょっ!」と心の中でツッコミながら、美味しくいただいております。

キャットフードや、コーヒーなどの商標で mon が使われていますが、こちらは「私の」を意味する所有形容詞なので、混同しないように気をつけましょう。
したがって、「私のモンブラン食べないで!」は

« Ne mange pas mon Mont-blanc ! »


と、なります。自分のデザートを取られそうになって、悶々とする感じが出ますね。
え?寒い?春が待ち遠しいですね。


小1の次男によると、そうらしいです ^^;
先日一緒に行ったのが、楽しかったのでしょうね


la température ressentie

寒い日が続いていますね。
先日、夕飯におでんを食べていると、長男が、
« On ne dirait pas qu’on soit tous dans la même pièce. » (みんな同じ部屋にいるとは思えないね)と言い出しました。

確かに、長男は un tee-shirt (Tシャツ)、次男は un sweat (トレーナー)、そして私は un pull col roulé (タートルネックセーター) という姿。
そして、ついには次男が、おでんを食べているうちに「暑い、暑い」と言いながら、torse nu (上半身裸) になってしまいました・・・。

未だに長男は、dans la journée (日中は) à manches courtes (半袖) 過ごしているようです。一応、家を出る時には à manches longues (長袖) の上着を着てはいますが、dès qu’il est arrivé à l’école (学校に着いた途端)、それを脱いでしまう様子。
次男の方も、dès qu'il est rentré à la maison (家に帰った途端), 裸足になってしまうし、一枚、また一枚と、遊んでいるうちに à manches courtes になってしまうことも。

frileuse (寒がり) の母とは、どうも la température ressentie (体感温度) がかなり違うようですね。子どもは風の子、このまま元気に冬を乗り切って欲しいものです。

さて、la température は「温度」、ressentir は「感じる」で、ressentir の過去分詞をつけて、体が感じる温度、ということで「体感温度」という意味になります。

Paris は寒そうですね ><
ちなみに、iPhone の「使用言語」を français に設定すると、la météo (天気予報) の欄に、lever (日の出), coucher (日の入り), risque de pluie (降水確率) などの下に、ressentie とあります。lever は le lever du soleil, coucher は le coucher du soleil が省略されているのですが、「体感温度」も、la température が省略されている訳ですね。  


毎日幾度となく目にすると、少しずつでも覚えてしまうものなので、お使いの smartphon の使用言語を français にしてみると、「へえ、こんな風に言うんだ〜」という発見をしつつ、 ボキャブラリーが増えるかもしれませんよ。是非、お試しください。

merci d’avance



Bonne et heureuse année 2017 !! 

遅ればせながら、新年明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、この時期はレッスンでも « Bonne année ! » と挨拶をするのですが、その際、
« Comment dit-on « 今年もよろしくお願いします » en français ? »(「今年もよろしくお願いします」はフランス語でどう言うのですか?)
という質問を受けることがあります。
正解は、それに該当する表現はない、です。
les cartes de vœux (年賀状) に書く une formule conventionnelle (常套句) でもあるこの表現ですが、では、フランスではどんなことを書くのでしょうか?

Je vous souhaite une bonne et heureuse année. (あなたにとって、良き、幸せな年になりますように) 
Tous mes vœux de bonheur à ○○ pour 2017. (○○ さんの、2017年の幸せを祈ります)

といったように、相手の幸せを願うような文言が一般的です。また、だいたい1月いっぱいは les cartes de vœux を送り合う習慣があるので、今から送っても、まだ失礼には当たりません。一言だけでも、何かメッセージを頂くと嬉しいものですよね。知り合いがいるけど、なんて書いていいか分からない、もう1月になっちゃったし・・・、なんて方は、是非、送ってみてください。

さて、「よろしくお願いします」ですが、何かお願いをして、それに対して「よろしく」と言いたい場合には、 « merci d’avance » や « Je vous remercie d’avance. » という表現があります。直訳すると、「前もって感謝をする 」とう意味です。予めお礼言っとくから、やってね、という感じでしょうか。なので、新年の挨拶としては、ちょっと相応しくありませんね。

さてさて、すっかりサボり癖がついてしまったこのブログですが、今年もぼちぼちと、なるべく更新するように頑張ろうと思いますので、引き続きご愛読よろしくお願いいたします。


Merci d’avance !

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