attendre


先日、次男に un petit service (ちょっとした頼み事) をしたのですが、
「ちょっと待って」
と、絵を描き続け、なかなかやってくれません。
待ちきれず、
「じゃあ、もういいよっ!トマにお願いするからっ!!」
と、ちょっとムッとして言うと、

「いつもお母さん、ルカに『待って』っていうけど、ルカ、何も言わないでちゃんと待ってるよ。だからお母さんも待ってて」と諭されてしまいました・・・。
確かに、il a raison (彼の言う通り)です。思わず、
「ごめん」
と素直に謝りました。

ところで、日本人同士では、「お待たせ」という言葉をよく使いますが、フランスではどうでしょう?

フランスに留学していた頃、la famille d’accueil (ホストファミリー) や des amis (友人) と出掛ける際など、ちょっと les préparatifs (準備) に手間取ってしまったり、出先で aller aux toilettes (お手洗いに行ったり) して、他の人を待たせてしまった時に、何か一言言いたくて、

“Désolée de vous avoir fait attendre.” (待たせてすみません)
“Merci de m’avoir attendue.” (私を待っていてくれてありがとう)

など言ってみたりしたものですが、なんか、「お待たせ」よりも、ちょっと大袈裟な感じがするのです。
もちろん、le rendez-vous (約束) に大幅に遅れてしまった時などは、上記のような表現を使いますが、日々のちょっとした「お待たせ」の訳としては、あまりしっくりきません。

では、実際に les Français (フランス人達) はこんな時、何と言っているのでしょう?
人それぞれだとは思いますし、 特に何にも言わない人も多いようですが、よくあるのは、

“ Ça y est.” や “ Voilà.” などの、「自分は準備OK」を表すようなことを言って、しれっと、 
“ On y va ? ” (行こうか?) などと言ってしまうのです。
初めは、「自分が皆を待たせておいて、あなたが “ On y va ? ” って言う訳 ?!」なんて、ちょっとイラッとしたものですが、それは le tempérament (気質) の違いというものですね。

私から見ると、les Français はかなりマイペースな国民性なので、その分、他の人のペースにも tolérant (寛容) なのかもしれません。誰かを待たせて申し訳ない、ということもなければ、多少待たされても平気なのかもしれませんね。

少し前、日本では KY;空気を読まない、なんて言葉が流行りましたが、日本人独特の感覚だと思います。「空気を読む」をフランス人に説明してもなかなか理解してもらえないでしょうし、万が一分かってもらえても、
“ Et pour quoi faire ? ” (で、なんのために?)
と言われてしまうのが関の山でしょう。

今の若い人達は、この「空気を読む」ことに、とても疲れているということも耳にしたことがあります。あんまりマイペースを押し通すのも問題ですが、周りに気を遣い過ぎるのも、疲れますね。ちょっと KY なくらいな方が、もしかしたらいいのかもしれません。
何事もほどほどに、un bon équilibre (いいバランス) を大切にしていきたいものです。 
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