l’hélicoptère



少々ネタが古くなってしまいましたが、先日、ついに元オウム真理教信者の高橋容疑者が逮捕されました。彼の実家が私達が住んでいる横浜市港北区にあるとかで、 l’arrestation (逮捕) の数日前の vendredi (金曜日)、うちの方でも la police (警察) の un hélicoptère (ヘリコプター) がぐるぐる回っており、子ども達の la crèche (保育園) でも大騒ぎだったようで、 le lendemain matin (翌日の朝)、トマがこう話してくれました。
« Hier, l’hélicoptère de la police est arrivé à la crèche ! Ils sont venus cherchent monsieur Takahashi. Ils le cherchent depuis longtemps. A la crèche, tout le monde courrait en disant ; Ce n’est pas moi ! »「昨日保育園に警察のヘリコプターが来たんだよ!高橋さんていう人を探しに来たの。もうずいぶん前から探してるんだって。保育園じゃ、みんな「オレじゃない〜」って、走って逃げてたんだよ!」  
社会を震撼させた un attentat (テロ事件) の un criminel dangereux (凶悪犯) も、保育園児に語らせると、何だか大人の cache-cache (かくれんぼ) のようです。しかも、トマのクラスの les camarades (同級生) に高橋さんと高橋くんが1人ずついるので、余計に大騒ぎだった様子。
それにしても、どんな un criminel dangereux にも、我が家の子ども達のような、あどけなく純粋な une enfance (子供時代) があったはず。一体何がきっかけで、道を踏み違えるのか、未だ若葉マークの取れない母としては、戸惑うばかりです。もちろん、全てが les parents (親) の la responsabilité (責任) ではなく、置かれた l’environnement (環境)、成長過程で出会う人々など、色んな l’influence (影響) があるでしょう。社会が成熟するに伴い、そこに暮らす人々の生活も複雑になり、des crimes (犯罪) も複雑化する傾向にあります。富山の à la campagne (田舎) でのんびりした une enfance を送った身としては、横浜のような une grande ville (大都市) で子ども達を育てることに不安も感じることも。相変わらず仕事中心の生活で、「育てている」というより、「育ってくれている」という方が近い毎日。これからどんな風に成長するのか、楽しみの方がもちろん大きいですが、親としての責務の大きさも改めて感じさせられております。

la tortue


5歳の長男トマが l’été dernier (去年の夏) からずっと欲しがっていた物、それは une épuisette (魚をすくうたも網) です。夏休みにフランスに行った際、papi (おじいちゃん) と mamie (おばあちゃん) に連れて行ってもらった à la plage (海岸) で des poissons (魚) や des coquillages (貝) を獲って遊んだのがとても楽しかったとのこと。すぐに忘れるかと思っていたのですが、かなりの頻度でねだるので、ついに根負けして先日ホームセンターに行った際に買ってしまいました。かくして、我が家の休日の des activités (アクティビティ) に、公園での魚獲りが加わりました。
近所の le parc (公園) には結構大きな un étang (池) があり、des carpes (コイ) や des canards (カモ)、des tortues (カメ) などが泳いでいるのですが、よ〜く覗いてみると、小さな小さなメダカのような des poissons もたくさんいます。l’étang の中程に、ちょっとした浮き橋があるので、そこからそ〜と l’épuisette を入れてサッと掬うのですが、次男ルカ (2歳) が自分の背丈より長い l’épuisette を水に突っ刺してグイグイと le fond (底) を引っ掻き回すので、あっという間に les petits poissons の影も形もなくなってしまい、今度は少し離れた所を狙う、またルカが寄ってきて引っ掻き回す、また離れる、の繰り返しになるのですが、意外に楽しくてついつい親の方が本気で遊んでしまいます。
そして先日 mon mari が なんと un bébé tortue (カメの赤ちゃん) をうっかり捕まえてしまいました。お祭りで売っている、顔の横にオレンジの模様があるいわゆるミドリガメです。誰かが捨てたものか、ずいぶん前に捨てられた les tortues の2世もしくは3世かは謎ですが、トマとルカはもちろん大喜び。2人の子ども達の世話だけで手一杯な母は、これ以上 une bouche (口) の付いた物を家に増やされてはたまらないので、捕まえた魚をそうしているように、帰りには l’étang に放すよう言ったのですが、 用があって先に帰ったところ、トマと mon mari がバツが悪そうに en plastique (プラスチックの) 虫かごを抱えて戻ってきました。覗いてみると先ほどの la petite tortue が元気にゴソゴソしています。
でも、実は私も lycéenne (高校生) の時にお祭りで買った 3,5 cm ほどの une petite tortue を 30 cm にまで大きく育てたというカメ好き。ちなみにそのカメはかれこれ 20年近く前に渡仏した際に chez mes parents (実家) に預け、未だに富山で元気に暮らしています。何と言ってもカメは万年ですからね・・・。そんな訳でダメとは言えず、トマが la tortue のパパになって、餌をやったり l’aquarium (水槽) を洗うなどのお世話をするという約束で、我が家の新しい家族にすることになりました。トマパパが付けた名前は「ケンタ」。子ども達は朝起きると「ケンタおはよう!」と声を掛け、ルカも「ケンタ、ご飯でしゅよ〜」と小さな手に餌をしっかり握りしめて一粒一粒大事そうにやっており、なんだか微笑ましい光景です。小さな l’aquarium の中をばたばた泳いだり、石をよじ登ったりする姿は愛嬌があり、私にとってもちょっとした癒しになっています。
ちなみにカメは « une tortue » と女性名詞です。フランス語では、例えば犬の場合、オスは un chien, メスは une chienne, 子犬は雄雌の区別なく un chiot、ネコは un chat, une chatte, 子猫 un chaton、牛に至っては、去勢された雄牛は un bœuf、付いてるのは un taureau、雌牛は une vache、子牛は un veau と、日本人から見たら何とも maniaque (マニアック) なネーミングになっています。でもカメは、オスだろうがメスだろうがチビだろうが年寄りだろうが une tortue。そんな、いたってシンプルなところも、私が la tortue に惹かれる une raison (理由) かもしれません。
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...